赤錆(あかさび)とは
鉄が酸素に触れ、酸化してできる赤茶色の酸化物のことで、日常的に目にする錆はほとんどがこれにあたります。赤錆はすき間が多く、非常にもろいのが特徴です。赤錆は鉄そのものを腐食させボロボロにする性質があります。オキシ水酸化鉄、酸化第二鉄とも呼ばれ、それぞれ化学式ではFeO(OH)やFe₂O₃となります。


黒錆(くろさび)とは
黒錆は『良性の錆』です。赤錆とは違い緻密な皮膜で酸化を防止するはたらきがあり、古くから「黒皮」や「黒染め」のように意図的に金属に黒錆を作る事で赤錆を防ぐ技術もあります。四酸化三鉄とも呼ばれ、化学式ではFe₃O₄となります。
赤錆と黒錆の違い
赤錆(Fe₂O₃) | 黒さび(Fe₃O₄) | |
形状 | 泥状(もろい) | 結晶状(固い) |
体積比 | 10 | 1 |
色 | 茶褐色 | 黒色 |
水溶性 | 赤水が出る | 溶出なし |
磁性 | なし | あり |
錆の進行 | あり | なし |

赤水とは
水道管の老朽化が進むと赤錆が溶け出して蛇口から黄色や赤色の水が出る事があります。
いわゆる錆水です。この赤水の中には鉄バクテリアが生息し、水質検査では「一般細菌数」として検出されます。
赤水が出るのは老朽化がかなり進行しているといえます。
近い将来に漏水などのトラブルに見舞われる可能性もありますので、早急な対策が必要です。
黒錆化による赤錆・赤水対策
赤錆・赤水でお困りの建物には、“錆をもって錆を制する” 「配管マグネタイト工法」をご提案します。
既に出来ている赤錆が、良性の錆である黒錆に変化することで以下の実現が可能です。
- 赤水の改善
- 配管閉塞の改善
- 漏水予防

給水管の赤錆・赤水対策の事例
N株式会社 本社工場 事例
約7ケ月で赤水が綺麗な透明な水に改善しました。


受水槽の水質変化の経過

某化成品製造会社様(名古屋)事例
対象装置

目視比較(3ケ月後)

水質検査(3ケ月後)
温水ドラム採水/水質検査データ
温水ドラム2/18採用(施工前) | 温水ドラム5/12採用(施工後) | |
---|---|---|
鉄分 | 1.1ml/l | 0.05未満 |
色度 | 20度 | 6.5度 |
濁度 | 4.1度 | 1.0度 |
鉄分:1/22、色度:約1/3、濁度:約1/4に改善しました。
温水ライン採水/水質検査データ
P・27抜き2/18採水(BW無) | P・27抜き5/12採水(BW有) | |
---|---|---|
鉄分 | 79mg/l | 5.1mg/l |
色度 | 2000度 | 150度 |
濁度 | 700度 | 43度 |
鉄分:約1/15、色度:約1/13、濁度:約1/16に改善しました。
給水管の赤錆対策 事例
S社事例

S株式会社は、半導体・電子部品の製造装置の開発からサービスまでのトータルソリューションを手がける総合的な企業です。
こちらで、BW水改質装置が給水管劣化防止の効果について検証していただきました。
以下がテストピースです。 長方形は軟鉄の薄板、円筒形は亜鉛メッキをはがしたGP管の継手です。


この2種類のテストピースを、循環水系のクッションタンク(BWあり)とクリーンルーム空調系のクッションタンク(BWなし)に入れ、錆の状態を観察しました。
1ヶ月後のテストピース
軟鉄(表面のサビを取って腐食状態を観察)


GP管(実際の水道管における錆の状態を観察)


これらのテストピースは、1年後にも観察されましたが、「BWあり」の方は孔蝕の兆候は 全く見られませんでした。
以上の結果から、BW水改質装置の有り無しで、出来る錆の形状・質が全く異なりることが分かります。この検証によりBW水改質装置が給水管の劣化防止に効果があることが証明されました。
北海道 某中学校 事例
築22年を経た某中学校は赤水の害に悩まされていたので、町役場の施設課の職員がBW水改質装置を知り、取り付けました。

その配管は、コーティングしたような見事な黒錆と、その黒錆を保護するようなカルシウム被膜で覆われていて、さらに孔食が始まっていた箇所は、まるでかさぶたのように黒錆が盛り上がって塞いでいました。
日時
工事:2004年8月(築後22年)
サンプル抜き取り:2007年6月(BW水改質装置設置(配管マグネタイト工法施工)後3年10ヶ月)
場所
北海道某中学校 建物内全体給水管(受水槽以下)
サンプル管抜き取り場所:同中学校2階天井給水管(SGP50A)
観察結果
1:サンプル管(図1)を縦方向に裁断し、管内面(図2)を観察。 その後管壁に形成されている酸化物の階層構造を観察するため、表層の赤錆部分を剥離しました(有機酸MSDSに24時間漬け込む)。


2:その結果、給水管内面の孔蝕あとには強固な結晶状の鉄酸化物(マグネタイトFe₂O₃)の付着が確認できました(図3)。

(図3)のとおり、パイプの穴あき部分にまるで詰め物をして補修したかのようにマグネタイトが形成されています。
3:次に鉄酸化物の積層構造を見ると、黒錆に覆いかぶさるように白色の被膜が広がっています(図4)。この白い被膜はカルシウムで、あたかも黒錆の酸化被膜を保護するかのように形成されています。
配管マグネタイト工法導入前は、赤錆による孔蝕が進み、管の劣化が進んでいました。その孔蝕部分は、かさぶたの様に黒錆化で栓をして溶接したような状態となっています。
さらにその黒錆の上にカルシウム被膜が形成されています。
この二重の被膜によって管は孔蝕を免れ、赤錆対策が実現しています。
某ターミナルビル 事例
東京郊外の駅ビル地上10階地下1階の大商業施設の事例です。ビルにはレストランはもちろん、高級スーパー、ファッション、美容関係のお店などがたくさん入っています。テナントの事を考えると、水の安全は必須です。
2006年にこの建物にBW水改質装置を取り付け、一年後の数値を確認しました。
取付前と後の水質検査を比較すると、安全な水になっていることが良く分かります。

BW水改質装置取り付け位置より下の管壁に黒錆ができていて、赤錆による管の腐食を防いでいるのです。

赤錆がびっしり付いている

埼玉県 某集合住宅 事例
埼玉県に20棟を超える某集合住宅があります。その中の1棟にBW水改質装置が導入されています。

この棟ではBW水改質装置を導入する前、赤錆対策としてアメリカ製の磁気式装置を入れていましたがほどなくして赤水が出て、装置が効いていないのではないかという不満の声が住人から上がってきました。そこで管理組合は磁気式装置を取り外し、1年間のテスト期間を経て、BW水改質装置の導入を開始しました。
BW水改質装置を設置して5年(テスト期間を入れると6年)後、赤錆対策の効果を検証しました。
某集合住宅の水道管はVLGP管(内面を塩ビでコーティングした鋼管)です。
この管種は次のような構造のため、継ぎ手と咬合するネジ部分の鉄は露出しています。

そのため、このネジ部分が水に触れ、赤錆による劣化が日々進行していきます。 また、塩ビで覆われている部分も、水が管端部から塩ビ被膜と鉄の地金の間に侵入し、そこから鉄の腐食が始まり、やがて穴が開いていきます。
このようにVLGP管は、通常であれば(1)ネジ咬合部、(2)塩ビ被膜と地金の間の2か所に赤錆による劣化が生じますが、BW水改質装置を導入した当ハイツでは、その錆が黒錆化して、配管の劣化を食い止めていました。



水に触れて錆ない鉄はありません。けれどもその錆が「赤錆」でなく「黒錆」である時、 鉄は腐食を免れ、逆に黒錆の酸化被膜によって保護されるのです。
「コルテン鋼」という鋼材があります。これは表面を緻密な錆で覆うことにより、内部まで腐食しないようにした耐久性のある鋼材で、橋や鉄道車両に用いられます。BW水改質装置による配管マグネタイト工法は、この「コルテン鋼」と同じ防錆法で、配管を赤錆劣化から守ります。
鉄管はいつか必ず錆びます。また配管の劣化状況は現場ごとに違います。同じ築年数であっても施工方法・使用状況・水質の違いによって赤水(錆水)や漏水の症状が出る建物と出ない建物があります。症状が出てなくても築20年以上経過していれば既に劣化が進行し腐食している場合もあります。
配管マグネタイト工法は、人体・環境にやさしく、低コストの水道管劣化対策です。
T.K.K.エボリューションは、110年以上に亘り水道設備、給排水設備のメンテナンスサービスを行ってきたTKKグループです。
建物の健全な維持管理には、問題が起きてから対応する『事後保全』ではなく、問題を未然に防ぐ『予防保全』の考え方が重要です。
我々TKKグループは、品質とコストの両面で最適な、給排水設備のメンテナンスをご提案いたします。
まずは、お気軽にご相談ください。