水道管の寿命・配管の耐用年数と配管劣化対策について

建物の寿命はコンクリートなどの躯体と給排水管の老朽化で決まります。

一般に給水管の寿命は30年とされ国土交通省のガイドラインでは築後25年頃から対策を要するとされています。それを目安にマンションの長期修繕計画で修繕の予算を月割りの積立金にしています。

水道管(建物内の給水配管)は様々な管の種類が混在していて、建物の竣工年度により管種が異なります。こうした管の種類に応じ、そして建築物の用途により適切な老朽化の対策方法は異なります。

  • 供給する水の用途は生活用水か工業利用か
  • 建物構造は高層建築か平屋か
  • 意匠への配慮はどの程度必要か

などにより最適な水道管の老朽化対策は異なります。

劣化対策の実施には、まず水道管(配管)の調査・劣化診断を行います。前述のとおり、様々な条件によって適切な工法は異なり、あるいは配管の部分部分によりいくつかの工法を組み合わせるエンジニアリングが必要になります。詳しくは配管マグネタイト工法のプロセスにてご説明します。
弊社は15万件の配管工事・清掃・点検の実績を持つTKKグループ会社ですので、施工・コンサルティングのプロとして配管劣化対策のご提案を行います。次項にて劣化診断・配管調査の方法をご説明します。

水道管(建物内の給水配管)の劣化診断・調査方法

T.K.K.エボリューションの行う水道管(配管)劣化の診断法は以下のとおりです。

  1. サンプル管を採取します。できれば建物の条件の異なる複数個所からが好ましく、部位は継ぎ手の前後です。
  2. 配管を縦割りにし鉄部と錆部の界面の部分を観察し、マイクロスコープあるいは立体形状測定装置などで記録を取ります。
  3. 依頼内容に応じて上記鉄部と錆部の界面にある錆層の最下層のさびの物質特定を行います(「蛍光X線回折」などの分析を公設試にて実施)
  4. 劣化している部分のえぐれの状況から配管の残存寿命を計算します(サンプル数の多いほど正確に出せます)。
  5. 縦割りにしたサンプル管を標本にし、データ類をまとめた報告書を提出します。
    報告書の調査内容と現場の状況、そしてお客様のニーズに沿った工法の提案をいたします。「配管マグネタイト工法」のみの施工、あるいは他の工法も組み合わせた「配管マグネタイト工法」といった具体的な提案を行います。
    調査報告書のサンプルはこちら>>  

配管診断・調査費用

  • 上記3.の物質特定を行わない場合20mm~25mmの配管で1か所あたり工事含め8万円程度
  • 上記3.を含めると11万円程度
  • 弊社の配管劣化対策の工法としてご紹介している、BW水改質装置を設置する配管マグネタイト工法を採用頂く場合は、現場採水だけで工法適用可能性の調査も可能です。(費用:4万円)

他社の診断方法

・ファイバースコープで配管内をのぞくことで診断と称する方法がありますが正確な診断ができません。印象を語る程度です。

配管劣化の原因と現在主流の管の劣化の状況について

配管劣化の原因と、現在主流の管の劣化の状況についてご説明します。

水道管(配管)の老朽化・劣化の原因は鉄がサビることです。ですから、鉄材が錆びにくく強く、火災などの災害にも強く、というパイプの開発の歴史から多様な管種が生まれました。

ライニング鋼管(VLGP管)

昭和46年頃に鉄パイプの内面をビニール等の皮膜で覆ういわゆるライニング鋼管(VLGP管)が誕生します。これにより赤水、漏水などの水道管(給水配管)の赤錆老朽劣化の問題は解決されたかにみられていました。しかし、時の経過とともにこのパイプは継ぎ手の接合のねじ部分、雌ねじの奥のねじ山二つが直接水に触れここからサビが発生し広がり劣化することが分かりました。

コア内蔵接手

上記の状況により継ぎ手の弱点を補うコア内蔵接手が開発され平成10年頃に一般に流通しましたが、このパイプは施工の良否に左右され劣化が進行することが分かってきています。弊社の調査では20パーセント前後が施工不良のため錆劣化が進行していました。

水道管(給水配管)の劣化対策の現状

  1. 配管全体を取り換える工法
  2. 配管内の錆も内張りの樹脂もすべて削り取り新しく樹脂を塗布する工法(ライニング工法)

1.の配管を取り換える工法は費用の面での負担が大きく、2.の樹脂を塗布するライニング工法が「管更生法」として一時もてはやされましたが、配管内に塗られる樹脂からフェノールAという発がん物質が溶け出る健康害が指摘されています。

この工法に代わる工法が模索され、第3の工法と呼ばれるジャンルが生まれ、防錆関係の学会では「物理処理方式」と分類されています。第3の工法として代表的なものは、
・磁石を用いた方法
・弊社開発の配管マグネタイト工法
の2種類です。

第三の工法 配管マグネタイト工法とは

「配管マグネタイト工法」とは、老朽化・劣化した水道管(建物内の給水管)の薄くなった肉厚(赤錆部分)を黒錆で元の厚さへと復元する工法です。「配管マグネタイト工法🄬」(「酸化被膜工法🄬」)は、国土交通省の新技術認定を受けています。(NETIS認証KT-160125-VR)。

この工法は日本古来よりの水の質を変える技法を工業技術化したものです。水の質を変えることで赤い錆が黒い錆に変化してゆき、赤錆でえぐられ薄くなった配管の部分が黒錆で元の厚さへと復元してゆくのです。

また、水の質がどの程度変わったかを計測できる測定装置を開発し、この工法の実現可能性を事前に計測することが可能となっています。(日、米、欧、シンガポール。マレーシアの特許取得済)」

水の質を変える装置であるBW水改質装置(商標「ザ・バイオウォーター🄬」)は日本水道協会(JWWA)の認証を受けています(Z-92)。

水改質装置 BWΩ

配管劣化・漏水対策のご提案/住宅オーナー様向けご提案

代表的な給水管劣化対策の比較表

工法施工概要概算費用工事期間効果持続期間特徴問題点
配管交換工事古い配管を撤去し、新しい配管に取り換える。または新しい配管を露出配管で施工する。5,000~10,000万円
100~200万円/世帯
2~3ヶ月約20年配管が新品になるので
即効かつ根本的解決法。
コストが非常に高い。
工期が長く住み替要。
大量の廃棄物が発生。
露出配管の場合は建物の外観が悪くなる。
ライニング工法配管の赤錆をサンド研磨で削り取り、配管を樹脂でコーティングする。1,500~2,000万円
30~40万円/世帯
1~1.5ヶ月約10年(保証期間)一般的に広く流布して
いる対策法。
配管へのダメージがある。
通常の養生期間では樹脂から環境ホルモンが溶出の健康害がある。
劣化の激しい管には使用不可。
2度目の施工は不可能
数年すると塗布樹脂が膨らみ通水が起こる。
配管マグネタイト工法
(酸化被膜工法)
給水管にBWを設置し、酸化速度が遅くなる事で赤錆を黒錆に変えて、劣化部分を修復する。300~400万円
6~8万円/世帯
半日~1日半永久的費用が安く、工期も短い。
漏水の管にも適用可。
排水管にも効果波及。
洗浄力,抗酸化力、制菌力の向上。スケール剥離効果、BOD下がり水環境負荷低減等が期待できる。
効果測定装置でFS可能。
劣化が激しい場合には赤錆の洗い出し期間がある。
赤水をすぐに止めたい場合には給水管の洗浄が必要。
磁気式装置設置給水管に磁石の装置を取り付け水を磁気処理することで赤錆ができにくい環境を配管内に作る。500~1000万円
10~20万円/世帯
半日~1日半永久的比較的費用が安く工期も短い。
断水なしで施工できる製品もある。
数年おきに磁界の方向を変える必要がある。
配管長の50mごとに装置設置が必要。
タンクがあるとその都度装置を追加する必要。
流速が低いと効果がない。
効果の持続時間は数日で終わる ・軟水では効果が低い。

上記のとおり、弊社開発の「配管マグネタイト工法🄬」は、持続性・コストに優れた、環境・人にやさし工法です。
「配管マグネタイト工法」は、配管を交換せず、樹脂の塗布も行わない方法で配管劣化対策を行うことが可能です。

T.K.K.エボリューションの配管劣化対策

水道管洗浄赤水が出ている場合は複数の洗浄工法のなかから最適な工法を選択し、水道管内部を洗浄します。
【工法例】給水管洗浄システム「JAB工法」、過酸化水素 など
配管の補修・取り替え配管を診断し、ダメージ度合に応じて次の対策を実行します。
(1)漏水発生箇所の補修
(2)劣化の激しい異種金属接合のバルブ部品を、コア内蔵式に変更する工事
(3)地中埋設管の配管自体の取り替え工事
T.K.Kエンジニアリングの配管工事>>
配管マグネタイト工法
(BW水改質装置の設置)
水そのものを改質することで赤錆対策ができる装置を設置します。
今ある赤錆の軽減と今後の赤錆を防止するため、長期的な水道管の保全に大きく貢献します。
配管マグネタイト工法の詳細>>

配管の劣化対策として、持続性・コストに優れた、環境・人にやさし「配管マグネタイト工法」
お奨めいたします。ご不明な点等お気軽にお問い合わせください。